生き物は、基本的には自分とよく似た子孫を残すようになっています。
しかし、生命における特徴として、存続していくためには、環境の変化に対応して
いくために親との違いを持つ性質や種を生み出すこともあったように思います。
「不均衡進化論」という説では、生命の源であるDNAの複製に、親とそっくりな
子孫を生み出す一方、もう一方では変化した子供も生まれるということが書かれています。
生物は、遺伝子に偶然生じた突然変異によって進化する。だが、突然変異の多くは有害だ。偶然にまかせていては、進化どころか絶滅してしまうのではないか? この矛盾を解く鍵は、DNAが自己複製の際に見せる奇妙な不均衡にあった──。カンブリア爆発の謎から進化加速の可能性まで、生物進化の見方を劇的に覆す画期的な新理論。
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LGBT(Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシャル、Tはトラスジェンダー)を
考えてみましょう。彼ら、彼女らは変化した種なのでしょうか。確かに、人口の割合
から言えば、稀なる存在になります。
ゲイは男性の4%くらい、レズビアンは女性の2%くらいです。バイセクシャルは
男性で十数%くらいです。進化論の分野では、1%を超えると、何らかの意味がある、
存在する価値があると考えます。
昔、ガチガチの原理教信者だったころ、私はLGBTの人たちは「子孫を残さないのは原理
に反する」と思っていました。自分で子供はつくらないのに、他の人達が生んだ子供たちの
生産性に頼って生きていく人達だと考えていました。
しかし、彼ら、彼女らは生物学的に何ら特別な存在ではないことがわかってきました。もし、
生産性や価値がないのであれば、とっくに消えていく運命だったはずです。今では、芸能界
などでも立派に活躍されています。
子孫を残すという点でみても、実は男性同性愛者の家系は、女性ホルモンのレベルが高い家系
と言えます。つまり、母や母方のおばさん、祖母たちがとてもよく子を産んでいるのです。
逆に女性同性愛者については男性ホルモンレベルが高い家系と言えるのではないでしょうか。
お母様もとてもたくさんお子様をお生みになりました。子孫にLGBTの方が稀にお生まれになっ
ても不思議ではないでしょう。
生命を最適化だけを考えていては、むしろ簡単に途絶えてしまうことになります。環境は常に
変化します。環境に適応するためには、変化していくことが必要になります。それは最適化す
るのではなく、適応のための変化を許容することになります。他の環境で有利であっても、
現状の環境では基本的には「何の役にも立たない」ということもあるのです。
しかし、その「無駄」が現状と違う環境では生存できる可能性を持ち、全滅しない強さとしな
やかさを生み出すことになります。こうした生命のシステムをみるとき、変化をダメと捉える
のではなく、次なる可能性のためと考えられないでしょうか。
今、私たちはひしひしと次なる摂理変化を感じて生きています。現状を維持する場合も、
そしてそれを打ち破って、変化に備える場合もあるのではないでしょうか。