世界は腹黒くできている


ロシアのプーチンが何故戦争をはじめたのか?

こうした侵略戦争に終わりがくるのか?

平和な世の中は築かれるのか?

今回はこうした点を考えてみたいと思います。

戦争や平和を説明するいくつかの視点

①地理的な環境が国家に与える政治的、軍事的、経済的な影響からみた政治説(地政学)。

他には、

②宗教、倫理、価値観などを国の繁栄や平和に結びつける文化説

また、

③平和(繁栄)と戦争(貧困)を分けるのは政治と経済における「制度の問題」だとする制度説

どれも人間は戦争をするということが前提となっている説です。

三つの視点からみた日本

①では、日本は島国として四方を海に囲まれていることによって他国から侵略されにくく、ここ最近でも70年以上戦争をしていません。平和を当たり前のように思って暮らせる国となっています。

②においては二千年以上にわたって天皇制が存続し、神道、仏教などあらゆる宗教が溶け込んだ「和を尊ぶ」独自の文化をもっています。

③は、民主主義政治や自由主義経済によって、豊かさと自由さを得ている他国に比べても治安のよい穏やかな国家となっています。

こうしてみると、戦争があることが世界の常識となっている中にあって、戦争をしない豊かな国である日本は別格と言ってもよい国です。

その他の視点

ディープステート(DS)説があります。

DSは社会主義的ユダヤ思想を持つ政治や金融、情報を陰で操る人々の陰謀論めいたものです。①の政治説(地政学)と相性が良く、その影響を受けています。

シックでもこの説の影響を受けたり、支持する者がいます。

アベル・カインの摂理説もあります。

ここで思い起こしてほしいのは、私たちシックには、争いはカインがアベルを殺害したことから始まったとするアベル・カインの摂理による戦争の捉え方があります。

今回のウクライナとロシアの戦争に、これを当てはめようとすれば、当然メシアを迎えましょうという話が出てこざるをえません。もともとはメシアを迎えるための摂理史観だからです。

すでに理屈(統一原理)ではメシアを迎えて、地上天国建設に向かっているはずなのに争い(戦争)があるという現実は、シックを混乱させ、説明できないままに今日まできています。家庭連合のやっていることが茶番に見えてくる所以です。

新しい摂理観が提示できないためです。これは三男派、七男派ともに言えることです。DS説などに引き込まれていくシックが出てくるのも致し方ないかもしれません。

内的因子と外的因子

私は、人間の心の中の問題(内的因子)として、アベル・カイン説(本心と邪心)が土台に今もあると思っています。しかし、外的因子においては上記のような原因によって戦争は起こると考えています。

いずれにしても、①②③とそれ以外DS説も含めて、内的因子、外的因子すべてが複合的にからんで、戦争になると思ったほうがよいでしょう。

外的因子によるプーチンの行動を推測

①の政治説(地政学)は、最もわかりやすいでしょう。プーチンはロシアを今までの大陸国家から海洋国家に変えようと、国家戦略を変更したかったと思います。

つまり、クリミヤや北方領土から南に海を通じて進出したかったという野心があったからと推測します。そのために、NATOの国々との間に(海のような)暖衝地帯(ウクライナ)がどうしても必要だったのでしょう。この考えに、DSが付け込んだのかもしれません。ウクライナを支配する者が世界を支配するという地政学の考えです。

②においてはどうでしょう。

私たちシックは、統一思想、価値観で世界は平和になることを願っています。しかし、「絵に描いた餅」です。現実には役には立ちません。すでに提唱母体である家庭連合内部が分裂して争っています。

また、神にただ平和を祈りましょう、こういった牧歌的な発想もまったく役に立ちません。むしろ、宗教の分派争いが戦争の原因ともなっています。

現在ロシア正教会はプーチンのウクライナ侵攻を全面的に支持しています。他の正教会(コンスタンチノープル総主教庁)や欧米、日本の正教会は侵攻を非難しています。神の権威や教えもまったく効果がないのが現状です。むしろ、教会は政権維持と強化のために利用されていると考えられます。

③の制度については、独裁政治色が強いのが問題です。独裁者が一人で戦争を起こす決定ができてしまいます。今回はそれが証明されたかたちです。戦争を起こすハードルが極めて低いと言えます。

プーチンの不安はどこからきたのか

②においては、別の視点で目に見えない思想に踏み込んでみることが必要です。そのための統一思想への宗教的文化的アプローチが必要だと考えます。

プーチンの不安・恐れの正体についてです。

プーチンの不安が恐怖化、可視化され、さらに安全保障問題として政治化され、ロシアという国家をして国民を何者かから守るという行動へと駆り立てたのではないかと推測するからです。

プーチンが不安に立ち向かった先の行動が、統一性を欠いた非合理的な戦争へと向かったのではないかと思うからです。

プーチンが抱いた不安(ロシア国家の不安)は、地政学的な思考に頼れば、説明できるようにも見えます。地政学やDS陰謀論は、実に魅力的な「世界の見方」です。しかし、その提示する見方には、目には見えない死角があります。死角がある世界像は、現実世界を実に単純明快に解き明かしてくれますが、平和への解決には決して向かいません。

人間の心のアベル・カイン説

私はこの死角に焦点を当ててみたいと思います。すなわち、人間の心のアベル・カイン説(=人間の心の闇・邪心)を仮説として立ててみました。

私たちシックは、メシアを迎えて、良心革命を果たし、闇を追い払ったわけです。しかし、国の指導者までにはこの良心革命が行き届いていないのです。

国を指導する者の中には、心に闇を残したまま、それが不安となって、時には闇のエネルギーを抑えられなくなってしまうという説です。心の闇と聞いて、何かファンタジー映画に出てきそうなモチーフにも聞こえます。実際に映画には、ときどき現実や未来を先取りしたような暗示を訴えかけてくる作品が見られます。

確かに国の指導者、特に独裁者には心の闇(不安)があるのではないでしょうか。

そこにつけ込んでくる、引き寄せられる現実の闇のエネルギー(=戦争)があるのではないでしょうか。

画像:Netflix 映画ファンタスティック・ビーストより

戦争から世界を遠ざける有効な方法

③の政治制度が有効かと思います。制度によって、ある程度の抑止をすることが可能なように思います。また、心のアベル・カイン説(心の闇説)についても、検討裁量する幅がかなりの自由度であるように思うからです。

民主主義的政治は、権力が集中する権威主義政治や独裁政治に比べ、はるかに戦争にはなりにくいと思います。

民主主義政治では、権力が社会の大多数の人々に分配され、政権が野党、国会などでも牽制の仕組みを持つからです。また、法の支配や所有権も保護されています。

こうしてみると、民主主義政治では、施政者の心の闇も、常に他方面から牽制されている仕組みであると思えます。

民主主義政治の盲点

ただ、民主主義政治の先進国、英国、米国が国際的な収奪構造をつくっているというDS陰謀論のいわゆる温床という見方も一方では払拭できません。民主化を望む人間の中にも、それを利用して私欲を優先する者がいるためです。

国家や国民の幸福よりも個人や一部の者の利益を優先する人たちです。そういう意味では、独裁者であってもプーチンのような愛国者のほうがましだと思われるかもしれません。

また、ポピュリズム(大衆迎合主義)のような民主主義に内在する「内なる敵」として、人民の意思が力を持って必要な制度を無視したり、権力濫用につながる危険性もあります。

しかし、国家の制度は、国民の心を育てるゆりかごのようなものです。やはり、独裁者や絶対的権力者のいる国では、国民が本音のところでは歓迎しないでしょう。

そうした国では、国民一人一人が究極的には服属か死を選ばされてしまうからです。

戦争は常に非人道

人間の心根はいつも、自分の欲に囚われています。ある程度の抑止はできても根本的に完全な平和を望むような善人はいないのです。

それでも平和的な民族はいます。欧米は好戦的民族ですが、日本は比較的平和的民族と考えて良いでしょう。しかし、一旦戦闘が始まれば、好戦的民族も平和的民族も変わりありません。

ロシア軍のキーウ近郊のブチャで民間人を殺害した行為を非難する報道がされています。これは人道上犯罪ですが、ロシアはウクライナとゲリラ戦を闘っていることを知らなければなりません。ウクライナは民間人も武装して戦うため、兵士も人民も区別ができないというのが本当のところでしょう。怪しい者、疑わしい者は処断されるか、自分が殺されるかというのが今の戦争の常識と思ったほうがよいかと思います。

先の大戦でも米国は原爆を日本の都市に落としました。これは冷静な計算ずくめの効果を測るデータ集めのためでした。

戦争とは非人道的と思ったほうがよいのです。人道的な戦争などないということです。

まとめとして、

世界全体が平和に移行するための処方はあるのか?

教会レベル(摂理)では失敗しましたが、愛による統一理論を再構築する道は国家や国家間では残されています。

それはやはり民主主義と自由主義経済のもとで築かなければならないと思います。とりわけ、先進国側の国々の責任が重要です。国家間における信頼関係を築くところから始めます。

そこでは愛を説いてもわかりづらいでしょう。まずはアメリカも日本も西側陣営は連携して、ウクライナに資金や武器を投入して、ウクライナの民主化を守り抜くことを優先します。つまり、勝たないまでも負けないという状況をつくることです。

停戦後は、続いてロシアの民主化運動を促していくことです。
ロシアの民主化を望む人間やエリートとも接触して、もしロシア政府から弾圧されたらかくまってあげるのです。

さらにロシアが崩壊し、いくつもの小国に分かれて民主主義政権ができた場合には西側陣営が国として承認することも、水面下で準備を進めていくようにします。

このようなことを本気で考えて実行するようなリーダーが世界には必要です。

アジアでは中国に対して、民主化を促進させていきます。日本や台湾、アメリカが協力すればできると思います。韓国は政権が不安定ですから必要に応じて参加してもらえばよいでしょう。

このように考えると、①②③を総合してとらえながら、戦争の起きることを前提にして考えていきます。戦争のリスクを最小限に抑えながら、民主主義、自由主義陣営側が平和を模索していけるように協力してリーダーシップを取っていくことが必要となります。

日本の役割中国、ロシアは


世界が平和になっていくためには、欧米や中国の好戦的な体質とは一線を画しながら、日本は良心革命を果たしたリーダーを迎えることが必要です。すでに天皇・皇后という国家の父母を戴いている国です。

穏やかに、少しずつですが、近い将来、平和へのリーダーシップを取れる国になっていくに違いありません。

中国共産党のエリートも、必ずしも党に忠誠があるわけではありません。自分の生活と利益を守ることにしか頭にありませんから、中国も共産党が崩壊する際には、バラバラになって、民主的小国家に分裂する可能性は大いにあります。

ロシアの今後は、大国とは言えなくなり、核以外の分野では相対的に衰退していくものと思われます。

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